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2007年05月24日

PEライセンスの紹介

PEの理念

Professional Engineer(PE)資格は、アメリカの各州が州ごとに設けているエンジニアの公的資格で、 「公共の安全・健康・福祉に奉仕する」ために、責任のある立場でエンジニアとして活動する者に要求される資格です。

PEには技術倫理が厳しく要求されます。 又、PE資格維持のために、継続専門教育(CPD)をベースにした2年毎の資格更新制度が州ごとに決められています。

日本ではPE試験の一次試験であるFE試験が1994年より国内で受験できるようになり、2007年10月からPE試験が開始されます。

PE登録制度

1907年アメリカで、エンジニアの能力・技術の登録が制度化された背景には、 公共の福祉という目的があります。

きっかけはワイオミング州で土地所有に関する地図、図面の作成について、 不正確さや意図的な歪曲によるトラブルが発生したため、すべてのエンジニアと土地測量技師の登録を義務づける法案が出され、正式な州法として成立しました。

エンジニア登録法は他の州にも広がりましたが、全国一律のシステムにはなっていませんでした。
しかし互いに均一な内容にする必要が生じ、現在は全州でNCEES(全米試験協議会)が作成した同じ試験方法を採用しており、 現在アメリカでは約40万人が[PE]として活躍中です。

日本でも3,400名以上の一次試験合格者がEI(Engineering Intern)として登録されており、 数百名のPE資格保持者が居るとされています。

PE取得メリット

PEは、PE一次試験(FE試験)に合格、実務経験、そしてPE二次試験(PE試験)に合格、登録という順序で取得することができます。
このプログラムは世界でも高く評価され、[PE]を取得することは国際的にエンジニアとして認められることでもあります。

エンジニアとしての視野を広げる

PE試験およびFE試験は、アメリカが自国の公共の安全性を担保するエンジニア資格制度の品質を確保するために多大な労力を費やして実施されているものです。

FE試験もPE試験となんら変わらない非常に厳格な監理のもとで問題作成が行われ、厳しいセキュリティコントロールのもとで実施されます。電卓にまで制限があったり、試験会場が試験直前まで知らされないのはこのためです。

日本で使われる試験問題はアメリカで実施されるものとまったく同じものであり、アメリカのNCEESから試験官が派遣されて実施されます。

100年以上の歴史があるこの試験にチャレンジすることは、世界中で評価の高いアメリカのエンジニアリングの世界に触れることであり、日本との共通点や相違点を発見し、エンジニアとしての異文化と接することです。

これらの体験が将来国際社会で活躍する際の基礎としてかならずプラスになることでしょう。

英語力を含めた総合能力をのばす

当然、試験内容も試験監督の指示もすべて英語であり、日本で実施されてもその中身はまったくアメリカで実施されるFE試験そのものです。

国際派エンジニアとして、技術的な面だけでなく英語で実務ができることは基本であります。FE試験、PE試験にチャレンジする過程において、英語で問題を解くのはごく自然に感じるようになるはずです。

自分をよりアピールする

グローバル企業は一般に、単に技術力だけでなく外国人と討論し、交渉できる力のあるエンジニアを求めています。

就職活動に有利

工学系大学4年生・院生がFE試験(一次試験)に合格すれば就職時においてアピールすることが可能です。受入れ側の企業においても、英語で行われ、エンジニアリング試験としてクオリティの高いFE試験に対して評価が高まりつつあります。

日本でFE・PE試験を受けるメリット

FE・PE試験は、要件さえ満たせばアメリカのどこの州でも受けることができます。

しかし日本で受ける最大のメリットは、
*時間・時差と旅費の軽減
*受験手続きが簡単(PE試験の受験まで各州への登録手続き要しないため)

日本でのPEの必要性

諸外国との技術競争の激化

わが国では、毎年約10万人の学生が工学系の学部を卒業しますが、 このうち大学院に進んでさらに研究を続ける学生はともかく、多くの学生は技術者としての質的向上を企業の中に求めることとなり、その水準はきわめて高いものとなっています。

しかし、諸外国の技術的進歩によって競争が激化している現在、とくに価格面での競争は日本を不利な状況に追込んでいます。

それは当然、技術に対してもコストの検討が加えられることとなり、企業内での技術者育成も問題となるでしょう。
合理的な経営という観点からすれば、今後、 多くの企業がこの方向へ進むと予想されます。

国際化による活躍の場の拡大

わが国の経済力の伸びにともなって、 国際社会での位置づけや果すべき役割が大きくなってきました。

1960年代からは日本企業の海外市場への進出が増加し、生産拠点を海外に設置する企業も多くなっています。

そうした中で求められてきたのがエンジニアの国際化です。 国際的なレベルを評価するものとして[PE]の必要性はますます高くなっていくと考えられます。

学生の皆さんは、国際化といっても実感が伴わない事が多いのではないでしょうか?
しかし、実社会ではいやおうなしに国際化の渦に巻き込まれる事は確実で、海外出張や、外国のエンジニアとの丁々発止の議論や、海外駐在等はもはや当たり前となっています。

又、東南アジアを初めとし、多くの国でその国独自のPE制度を採用する国が増えています。

これらの資格との相互承認や、書換の際にはPE資格の国際的な著名度と、英語をベースにした資格であることから、非常に有利です。

リフレッシュ教育としての成果

人間の記憶力には限界があり、大学の専門課程で学んだ知識も3〜5年で半減するといわれています。
とくに科学や技術が著しく進歩している現代においては、その知識さえも陳腐化しかねない状況です。

それを防ぐ狙いもあって、最近は社会人に対するリフレッシュ教育が注目されてきました。

職業として専門知識や技術を生かす社会人に対して、大学などを通して必要な教育をするというものです。
[PE]資格への挑戦は、エンジニア個人の目標であると同時に、大学や大学院におけるリフレッシュプログラムの構成要素としても役立ちます。

そして、PEライセンスの有効期間(2年)毎に更新を義務づけているということにあわせて、技術研修の実施など大学が創意と努力を発揮することができます。

米国のPEライセンスについて

PEライセンスを特に必要とする理由

技術者が公共の安全・健康・福祉を守り、仮初めにもこれを危うくする事のない責任を負う事を保証するものです。

従って、各州が技術者に与えるPEライセンスは、その所有者がPEとしてあらゆる業務を完遂する能力を持つことを法的に確認するものです。

大半の市・州・政府機関では、責任の伴う技術業務の実施に当たって担当者にPEライセンスを要求します。
民間では生産設計・生産業務・環境破壊訴訟等の増大に伴い、企業経営者は通常、技術責任者に、PEライセンスを要求します。
大半の州では、PE以外のものが、民間業務で技術諮問・技術役務・契約・設計図・図面・仕様書の提出等に従事する事を事実上禁止しています。

PEライセンスの効用

全州が、技術諮問業務の実施にライセンス取得を義務づける法律を採用してます。

他の効果としては多くの企業で管理職にはPEライセンスを要求し、また、ライセンスを取得すれば昇給の対象となります。更に、見逃されがちですが、PEは法廷専門証人の資格を有します。

PEライセンス取得手続き

PE取得のため、通常、州の主催する2回の8時間試験を受けなければなりません。

最初は、FE試験(Fundamentals of Engineering Examination)と呼ばれるもので、多岐選択式問題を客観的に採点する工学・数学・技術に関する工学系学部卒業程度の水準の出題です。

午前の部は共通問題、午後の部は7科目(化学、土木、電気、環境、機械、産業、一般)から1科目を選択します。
この試験に合格すれば「Engineering Intern(E.I.)」の資格を得ます。

二次試験の8時間試験はPE試験( Principles and Practice of Engineering Examination)と呼ばれるもので、各技術部門(土木工学・機械工学・電気工学・化学工学等)に分かれ出題されます。