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F.E.・P.E.とは

米国PEライセンスで広がった海外経験

岡 孝則, PE (Oregon, Civil)

私が米国PEを取得したのは、1991年からアメリカのコントラクターへ2年間出向していたときである。
このとき経験した4プロジェクトを通じて見たのは、発注会社、コントラクター、またエンジニアリング会社と立場は違っても、強い責任感で仕事に臨んでいるリーダー格の人のなかにPE資格者が多かった、ということだ。
PEとなると一目置かれるし、また本人もその自覚を持って仕事をしている、と感じた(契約書にサインするのにPE資格を要求される場合もあった)。
自分もぜひこうなりたい、と強くあこがれ、自分には難しい試験であったが何とか合格することができた。

さて、米国PEは取ったが、残念ながらその後米国に行く機会はなく、アジアや中南米の国々に赴任した。これらの国々でも米国に倣ってPE制度が整備されているところが多く、その手本とされた米国PEライセンスは尊重される。
たとえばマレーシアでは学科試験免除(面接と論文試験あり)でマレーシアのPEライセンスをもらうことができたが、それはすでにそのレベルはクリアーした、ということを米国PEライセンスが証明してくれたわけで、忙しかったこともあり大変助かった。

一番の収穫は、行った国々で地元のプロフェッショナルや地位ある人々との交流を楽しみ、また多少なりとも地元に貢献できたことだ。
地元のエンジニアリング協会は国の発展のためにエンジニアの養成や技術力向上に熱心であり、技術先進国である日本やアメリカのエンジニアリング制度や技術、ユニークなプロジェクトのことなどを知りたがっているので、日本人で米国PEだというと大いに歓迎してくれる。
メキシコでは協会の要請で、ある大学の工学部でアメリカのユニークな浮橋や日本の明石海峡大橋の話をしたのだが、そのときの学生達の熱心な質問は記憶に新しい。

このように、自分にできる国際交流やビジネスの幅を広げてくれたのが米国PEライセンスであり、本当に感謝している。